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国語国文学専攻(修士課程)

国語国文学専攻とは

日本語と日本文化に対する論理性と美意識を磨きます

日本語学(国語学)と日本語教育、そして日本文学(国文学)の3つの専門領域の研究を行っています。
日本語学は、現代語を含む各時代の言語体系とその変化を研究の対象としています。日常では意識しない日本語の法則性を見いだし、それを、過去から現在、さらに未来へと流れていく日本語の論理としてとらえることをめざしています。
日本語教育は、目標言語である母語話者の日本語、あるいは日本語学習者の日本語を対象としています。音韻、文法、語彙、意味、言語運用などの諸分野と日本語教育の実践との関連づけを視野に入れ、日本語学習者への教育の質の向上を目的としています。
日本文学は、古典文学から近現代文学までを研究の対象にしています。文学作品が成立した時代の社会・歴史などから成立の必然性を探り、それがどのように継承されてきたのか考えます。作品は文献という形で与えられているので、その文献の持つ価値を見定める専門的な訓練も行っています。
3つの領域は、互いに関連するので、自分の専攻する領域だけに閉じこもることなく、他の分野にも触れることを求めています。それによって日本語や日本文化への理解を、より厚みのあるものにします。

専門領域の3系統

授業の様子

日本語学

日本語はそれが社会的に存在する以上、一定の約束事、すなわち法則に従って用いられています。日本語学の目標は、日常では意識されない日本語の法則性を明らかにし、その本質を探っていくことにあります。
ただし日本語の法則は自然界に存在する法則と違い、人間が作り出したものです。従って永い時間を経るうちに、その法則も次第に変化していきます。こうした永い歴史的な日本語の変遷をたどりながら、なぜ、どのようにして現在の日本語が生まれてきたのか、そして日本語の未来の姿がどのようになっていくかを考えていくことも、日本語学の重要な目的の一つなのです。
日本語のこうした歴史的変遷をたどる一方で、諸外国語の中に日本語という言語を位置づけることも、日本語を客観視し、理解するうえで重要になります。そこで、諸外国語との対照研究も射程に入れています。

日本語教育

日本社会が国際化していく中で、異言語間コミュニケーションの問題はより切実なものとなってきており、日本語教育の需要も近年ますます高まってきています。そのような中で、日本語教師はその質の担保を目的として、2024年4月から国家資格化されました。
本学では早くから学部において日本語教育の研究と教育にも力を入れてきましたが、大学院でも日本語教育に関する講義・演習を開講しており、日本語教師として現場に立てる人材を輩出しています。
日本語を教えるためには、日本語についての深い理解が必要です。そのため、日本語学同様、日本語の法則性を研究することにもなります。これに加えて、日本語教育ではそれを効果的に教える知識や技能も必要です。そこで、教授法や第二言語の習得過程なども研究の対象となります。さらに異文化理解や言語と社会との関わりなど、日本語教育に関係する諸分野も積極的に学んでいきます。

日本文学

我が国にはさまざまな文学的遺産があります。神話や伝説に始まって和歌や物語、能・歌舞伎、俳諧などの古典文学から、漱石・芥川・太宰といった近代の作家の手になる小説群に至るまで、その文学的伝統は、約1500年の永きにわたっています。こうした文化遺産である日本文学を研究対象に、その価値を常に再発見し、継承・発展させていくこと。それが、日本文学に与えられた課題です。とはいえ、こうした古典文学と向き合う際には、現代の私たちの基準でその価値を推し量るばかりでは、その歴史的意義をつかみ損ねてしまいます。従って第一に、その作品が成立した時代や社会、風土を知り、作品成立の必然性を理解する文学史的知識が求められることになります。
第二に、こうして成立した作品の評価の歴史をたどることも、日本文学の重要な目標となります。一つの作品の評価は時代によって、忘却の期間や再評価の期間、そして次代の作家による模倣や咀嚼の期間といった、さまざまな浮沈を経て現在に至っています。こうした歴史を繙き、作品がどのように継承されていったかを学ぶ受容史の研究も、日本文学の重要な課題なのです。
もちろんこうした研究は、写本や版本などの一次文献を精査・精読することによって、はじめて可能となるものです。従って日本文学に携わる者は、文献自体の評価や取り扱い方といった、 文献学的知識を追究しなければなりません。日本文学は、文学史、受容史、そして文献学という確かな基礎を踏まえた上で、我が国の文学作品の持つ、価値の再発見に努めなければならないのです。

育成すべき人材

論理性と美的感覚を磨き、研究者、教育者をめざす

ことばには論理的であると同時に美しくあることが求められ、文学はその究極の姿であると言えます。本専攻では日本語と日本語教育、日本文学を深く学ぶことによって、論理性と美的感覚を養うことを目的としています。修了後は身につけた能力を活かし、研究者、教育者、さらには一般企業で活躍することも期待されています。

研究者

大学院博士課程や研究所、そのほか各種の研究関連機関において、日本語学、日本語教育、日本文学、および関連諸学の研究者として活躍できるよう、その能力を養います。

教育関係

高等学校以下の学校教員として十分な基礎能力を養い、専修免許を取得できます。教員未経験者には教育法その他の教職科目の単位修得にも便宜を図るほか、現職教員のブラッシュアップと再教育と専修免許への移行を助けます。
また、国内外を問わず、さまざまな機関で日本語教師として活躍できるよう、その能力を養います。

教育課程の特色と構成

さまざまな時代やさまざまな研究領域の多彩な問題群にふれ、専攻以外の分野も幅広く学ぶ

日本語学系統

古代から近代・現代までの日本語を対象とし、音韻、文法、語彙、意味、言語運用等各方面からの学習・研究をめざします。諸外国語との対照研究も重視します。

日本語教育系統

目標言語である母語話者の日本語、あるいは日本語学習者の日本語を対象とし、音韻、文法、語彙、意味、言語運用などの諸分野と日本語教育の実践との関連づけを視野に入れ、多角的な研究をめざします。異文化理解や言語と社会との関わりなど、日本語教育に関係する諸分野も積極的に学んでいきます。

日本文学系統

古代(上代・中古・中世前期)から近代(中世後期・近代・現代)までの各領域において、散文と韻文、および戯曲を対象に研究指導します。学生には専攻の時代や分野だけにとどまらず、日本文学史を含め、歴史・民俗・芸術等の関連分野も学ぶよう指導します。

共通課題

いずれの系統も、他の系統の科目の履修を推奨します。

履修方法

専攻分野を深く学び、隣接分野にも幅広い知識を養う

入学時あるいは1年次終了時に指導教員を決定。以後教員と学生の協議のもとに、専攻分野など研究の方向付けを行っていきます。本専攻を修了して修士の学位を受けるためには32単位以上を修得し、最終試験に合格しなければなりません。32単位の修得に際しての条件は下記の通りです。

  1. ① 必修科目4単位:「国語国文学特別研究(論文指導)」通年、2年次配当。
  2. ② 選択必修科目12単位以上:日本文学系統、日本語学系統、日本語教育系統の中の1分野から8単位以上。残りの2分野から各2単位以上。
  3. ③ ①②を含み、上表の任意の科目、および他専攻・神戸大学大学院での開講科目から、合計32単位以上。*ただし、他専攻・神戸大学大学院での開講科目履修は8単位を越えてはならない。

授業科目一覧

本専攻ではこうした狙いの上に立って、構造的に組織された各種の講義・演習を用意しています。詳しくは下記の一覧を参照してください。

前期 後期 備考
必修
科目
国語国文学特別研究(論文指導) 2年次
選択必修科目 日本文学系統 日本文学特殊講義A
日本文学演習A
日本文学史特殊講義A
日本文化演習A
日本文学特殊講義B
日本文学演習B
日本文学史特殊講義B
日本文化演習B
日本語学系統 日本語学特殊講義ⅠA
日本語学特殊講義ⅡA
日本語学演習ⅠA
日本語学演習ⅡA
日本語学特殊講義ⅠB
日本語学特殊講義ⅡB
日本語学演習ⅠB
日本語学演習ⅡB
古典語
現代語
古典語
現代語
日本語教育系統 日本語教育特殊講義ⅠA
日本語教育特殊講義ⅡA
日本語教育演習ⅠA
日本語教育演習ⅡA
日本語教育特殊講義ⅠB
日本語教育特殊講義ⅡB
日本語教育演習ⅠB
日本語教育演習ⅡB
日本語の構造
言語習得・異文化理解
言語と教育
言語と社会・言語と情報

国語国文学専攻 教員一覧

修士論文題目

論文題目一覧はこちらpdf

入試実績

  受験者数 合格者数 入学者
2024年度 4(0) 2(0) 2(0)
2023年度 1(0) 1(0) 1(0)
2022年度 4(0) 3(0) 3(0)
2021年度 1(0) 1(0) 1(0)
2020年度 2(0) 2(0) 2(0)

注1:一般選抜、社会人特別選抜の合計数
注2:( )内は男子の数で内数

大学院過去問題はこちら

入学者 出身大学(過去5年間実績)

・神戸松蔭女子学院大学

 

教職課程

中学校・高等学校教諭一種免許状(国語)を有する学生については、所定の課程を修了することで、専修免許状に引き上げることができます。
教職課程の詳細



修了後は留学生を含め多彩な進路を実現しています
修了生は、中学・高校で教員として採用され、活躍している人もあり、他大学の博士課程に進んで研究を続ける人もあり、大学で教鞭をとる人もいます。国内外で日本語教育に携わる人もいます。留学生も同様に博士課程に進む人、企業に就職し、日本と母国をつなぐ仕事に励む人が育っています。