
Step4 応用する
自分や身内をかわいがりすぎて、反対に他人を傷つけたりしていませんか?オリンピックの応援を例に考えてみましょう。
心の動きを知り、自分を理解すれば、他人を尊敬しあえる人間関係をつくれるかもしれません。
先輩アドバイス
兵庫県 東洋大学附属姫路高等学校出身
在学生(4年)
自分のチームを応援するあまり、相手を悪く言っていない?
一緒に楽しめる環境をつくることが大切だと思います。
私は野球が好きでよく応援に行くのですが、ひいきしているチームをよく見せるために、相手のチームをあえて下げて言うサポーターをよく見かけます。自分のチームが勝ってほしい気持ちはもちろんわかりますが、相手を格下のように扱ったり、エラーを大げさに喜ぶのは、少し違うなと感じます。オリンピックでも同じで、私は、応援する側も気持ちよく競いあいたいなと思います。また試合後の評論も、勝ち負けや“ダメだった原因探し”ではなくて、素晴らしかったところにフォーカスしてほしいですね。
人と人は、共通点があると親しみが生まれます。スポーツが好きという共通の話題で、どんな国の人とでも盛り上がれるのがオリンピックではないでしょうか。私は接客のアルバイトをしていますが、いつも会話を重ねて、相手との共通点を見つけるようにしています。そうすると相手が打ち解けてくれて、話が弾むんです。オリンピックを機に海外からの観光客も増えると思うので、共通点を見つけながら一緒に楽しめる環境をつくっていけたら素敵ですね。
先生のまとめ
日本をひいきして、他国に厳しくなりすぎてない?
「試合」と「相手国への感情」は別物だということを忘れないで。
「自分がかわいい」という気持ちは悪いことではありませんし、自尊心も心豊かに生きるために必要です。(自尊心は、ただの自慢や傲慢さとは違います。自分で自分を信じて、大切にしてあげられることなのです。)
ただ、自分かわいさのあまり他人の不幸を喜んでしまっては、良好な人間関係は築けません。たとえばオリンピックでは、選手は他国の選手と戦い、観客は自国を応援します。でも、それはあくまでオリピックという場の中だけでのこと。閉会式で選手たちが国の枠を越えてお互いの健闘をたたえ、一緒に楽しむように、競技が終わったあとにまで「自国or他国」の枠組みを引きずらないようにしたいものです。
自分の心理や行動を第三者の視点で見つめられるようになると、人間関係にもきっと役立つと思います。