
Step4 応用する
ことばの解釈には、いろいろな要因が考えられます。日本語と英語でも、ことばの行き違いが起こる例がないか探してみましょう。
社会の中でのことば遣いには、さまざまな“言外の意味”が含まれています。普段はなにげなく使っていることばでも、あらためて文脈に即して考えてみると面白いですよ。
先輩アドバイス
兵庫県立三木東高等学校出身
在学生(3年)
日本語を訳す感覚で話すと伝わらない。
留学で、英語ならではの表現があると学びました。
カナダに6ヵ月間留学して、日本語と英語の違いを実感しました。日本人の癖で遠回しな表現になってしまうからか、こちらの意図が伝わらないことが何度もあったのです。ホストファミリーに、「遊びに行くので、今日の晩ご飯はいりません」というだけでも大変。帰ってきたら私の分も用意してあって、気まずい思いをしたことも。逆に、英語の場合はストレートな表現が多いので、はじめは傷ついたりショックを受けたりしました。でも、文化の違いなんだと言い聞かせて、意識的に変えていくようにしました。
また、Sorryを使ってしまうのも日本人の癖ですね。Thank youといったあとにも、ついSorryと続けてしまい、よく「謝らないで」といわれていました。
先生のまとめ
その国で用いられている“言外の意味” をきちんと理解することでことばの行き違いは防げます。
日本では感謝の気持ちを伝えるために「すみません」と言うことがありますね。でも、その感覚のまま英語にすると、ことばの行き違いが起こります。特にアメリカで“I’m sorry. ”を連発するのは、責任を認めたと受け取られるため、注意が必要です。日本でよく使う「よろしくお願いします」も、直訳すると“Please do it well.”ですが、意味の通らない文章となり、英語では使われません。
また同じ英語でも、国によって “言外の意味”が異なります。よくジョークとして取り上げられる、イギリス人のことば遣いについてご紹介しましょう。たとえば、イギリス人が“Very interesting. ”(とても興味深い)と話したとします。一般の人なら“They are impressed. ”(感動的だ)と解釈しますが、イギリス人の本心としては“That is clearly nonsense. ”(まったくナンセンスだ)と、真逆のことを言外の意味に含ませているというのです。
この例はあくまでジョークですが、日本語でも英語でも、人は言外の意味を活用してコミュニケーションを取っていることを念頭におくことで、語学力はどんどん磨かれていきます。松蔭の英語学科では、そういったニュアンスの会話も学んでいきます。